相続の手続き、誰に何を頼むか — 司法書士・税理士・弁護士・行政書士の分担
相続では、登記・税金・名義変更・家庭裁判所の手続きが一度に押し寄せます。期限があるものも多いので、「何を・いつまでに・誰に」を最初に整理しておくと慌てずに済みます。
期限のある主な手続き
| 手続き | 期限の目安 | 主な相談先 |
|---|---|---|
| 相続放棄・限定承認(家庭裁判所への申述) | 相続の開始を知った時から3か月以内 | 弁護士・司法書士(申述書の作成) |
| 準確定申告(亡くなった人の所得税) | 相続の開始を知った日の翌日から4か月以内 | 税理士 |
| 相続税の申告・納付 | 相続の開始を知った日の翌日から10か月以内 | 税理士 |
| 相続登記(不動産の名義変更) | 不動産を相続したことを知った日から3年以内(2024年4月から義務化) | 司法書士 |
相続税は、遺産の総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下なら、申告そのものが不要です。ただし、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って税額をゼロにする場合は申告が必要になるので、判断に迷うときは税理士に確認しましょう。
誰に何を頼めるか
司法書士:不動産の名義変更と、家庭裁判所に出す書類
相続登記の申請を代理できるのは司法書士(と弁護士)です。戸籍の収集、遺産分割協議書の作成から登記までをまとめて頼めることが多く、相続放棄の申述書の作成も依頼できます。
税理士:相続税と亡くなった人の所得税
相続税の申告書の作成と提出、土地の評価、二次相続を見据えた分け方の相談などを頼めます。相続税の申告は専門性が高く、税理士によって経験の差が大きい分野なので、相続税の申告件数や実績を聞いてみるのがおすすめです。
弁護士:相続人同士でもめているとき
遺産の分け方で話し合いがまとまらない、遺言の有効性に争いがある、遺留分を請求したい・された、といった場合は弁護士です。相手との交渉や、家庭裁判所の調停・審判の代理ができるのは弁護士だけです。
行政書士:争いのない書類づくり
相続人の間に争いがない場合の遺産分割協議書の作成、戸籍の収集、自動車の名義変更、銀行口座の解約手続きの書類などを頼めます。不動産の登記や相続税の申告は扱えないので、該当する財産がある場合は司法書士・税理士と連携しているか確認しましょう。
どこから相談すればいいか
- 相続人同士で争いがある → 弁護士
- 不動産がある → 司法書士(相続税がかかりそうなら税理士も)
- 遺産が多く相続税がかかりそう → 税理士
- 預金や車の手続きだけで、争いもない → 行政書士・司法書士
相続を多く扱う事務所の多くは、他の士業と連携して窓口を一本化しています。最初の相談で「登記や税金はどうなりますか」と聞いてみると、連携の有無が分かります。
この記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の事案についての法的・税務的な助言ではありません。具体的なご相談は、各資格の専門家にお問い合わせください。
